【十二章】 「また派手にやったんだって?」「ハハ、もう聞いたんスか」「黒猫、オマエ最近下からなんて呼ばれてるか知ってるか?」「黒い悪魔でしたっけ? 知ってますよ」「オレが聞いたには不幸を呼ぶ猫だったけどな」「まんまじゃね… 続きを読む 黒猫は今宵壱等星の夢を見る⑫
カテゴリー: 二次小説
黒猫は今宵壱等星の夢を見る⑪
【十一章】 朝起きた時に、あの日に戻ることができたらいいのにと思う事がある。「ねみぃ……」 くあ、と思わず零れた欠伸がうっかり誰にも見られていませんようにと思う。この部屋はこの組織に身を置いたその時から黒猫の私室で、他… 続きを読む 黒猫は今宵壱等星の夢を見る⑪
黒猫は今宵壱等星の夢を見る⑩
【十章】 一虎の一件があった後も、東卍は依然として霧を、そして西領を追い続けていた。その日の定例会議の場に着いた隊長達の表情は皆固い。 最低でも月一度は開催している幹部会では、円卓に合わせて隊長が席に着きそれぞれの副隊… 続きを読む 黒猫は今宵壱等星の夢を見る⑩
黒猫は今宵壱等星の夢を見る⑨
【九章】 「オイそっち行ったぞ!」「追え、逃がすなよ!」 その日場地は、組織の金を持ち出した人間を確保する任務に借り出されていた。 怪しいと疑いが掛かっていた、東卍の中でも末端の人間だった。数日追っていたところ黒が判明し… 続きを読む 黒猫は今宵壱等星の夢を見る⑨
黒猫は今宵壱等星の夢を見る⑧
【八章】 「あ! 場地さん!」「よォ」 あの事件から、千冬は王都にある孤児院に入ることになったという。大人同士でどんな話があったのかは、当時の場地にはわからない。でも大人になって少しずつ分かってきたことを考えると、両親を… 続きを読む 黒猫は今宵壱等星の夢を見る⑧
黒猫は今宵壱等星の夢を見る⑦
【七章】 「坊ちゃん! どこへ行くんですか、お母様に叱られますよ!」「すぐ戻るから! オフクロには何とかゴマカシといて!」 場地少年は、護衛官の長男として生を受けた。真一郎と万次郎の両親が健在だった頃から王族である佐野一… 続きを読む 黒猫は今宵壱等星の夢を見る⑦
黒猫は今宵壱等星の夢を見る⑥
【六章】 「……一虎が行くって言ったとき止めればよかったな」「は?」 場地は、ぽつりと吐き出された万次郎の言葉に思わず気の抜けた声を出してしまった。それから意味を理解して、彼の肩をそっと叩く。 親友が重体となって病院に運… 続きを読む 黒猫は今宵壱等星の夢を見る⑥
黒猫は今宵壱等星の夢を見る⑤
【五章】 「母ちゃん! ちょっと遊びに行ってくる!」「千冬ー! 暗くなる前に帰るのよ!」「わかってるよ!」 いつまでも子ども扱いしてくる母親に、オレもう子どもじゃないから! と叫んだあの少年の日は、確かに何年経ってもまだ… 続きを読む 黒猫は今宵壱等星の夢を見る⑤
黒猫は今宵壱等星の夢を見る④
【四章】 コンコンコンコン、この部屋に入る時のノックの音は必ず四回。それがこの部屋の主との約束だった。これは自分が来たという合図。今日もそれを律義に守ると、内側から入れという言葉が返ってくる。 ノックをした本人は良く通… 続きを読む 黒猫は今宵壱等星の夢を見る④
黒猫は今宵壱等星の夢を見る③
【三章】 話は半年ほど前に遡る。「今日お前らに集まってもらったのは、当然伝えたいことがあるからだ。このことは重要事項だから、各自口外しないよう徹底してほしい」 数日前に次期国王、つまり現在の王位第一継承者である王子から… 続きを読む 黒猫は今宵壱等星の夢を見る③